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ナゾの妙薬「たぬきの油」とは!?
「たぬきの油」をご存知でしょうか。播州生まれの私は、南国土佐に移住して、はじめて遭遇しました。
よく晴れた晩秋の日に、吉良川の山奥の日南(ひなた)という桃源郷のようなところに、私はてくてくと歩いて行ってまいりまして、問題のブツをゲットしてきたのです。この地域の地域おこし協力隊の方が、のどが痛いときに、耳かきの先っちょ程度を飲んで治ったと、「ほんまかいな」という話を仰っていました。
この「たぬきの油」とは、”万病即効あること神の如し”と謳われる妙薬だと、地元の方は仰っていました。しかし、薬効については全く明かされておらず、道の駅の片隅にひっそりと、何だかわからない小瓶に詰めて売られているシロモノです。
●たぬきの油の効能とは?
この「たぬきの油」、耳かきの先ほどの量を毎日ひとさじ服用することで、風邪をひかなくなったとか、喘息が治まった、小さい頃から自宅の冷蔵庫にある常備薬だ、などと仰る方々が、私の出会った中にも数名おり、解熱剤・火傷・虫刺されなどに効果があり、アレルギーにも効くという話も私は耳にしました。
しかし反面、「わけのわからないものを口にしたくない」という方も当該地域におられるわけで、十把一絡げでは語れない多様性も、同時に感じるところです。
「万病に効く」という学術的根拠は現時点では無いそうですが、タヌキの専門家によると、薬効については「現在調査中」とのことでした。
また、四国でも愛媛、香川、徳島あたりでは「たぬき」は「神様」なのですが、なぜか土佐にくると油を絞られているのだそうです。
●馬油と比較してどうなの?
さらに、嶺北に住む方から伺った話では、「たぬきの油」は馬油よりも質が良く高値で取引されているそうで、地域の猟師さんが何人か出荷しているとのことでした。また、その方は山でケガをした時に、お年寄からタヌキの油を塗って頂いた事があるそうです。なるほど、ワセリンの効能を考えると、擦過傷などに油を塗れば、空気を遮断する事で治癒が早くなるのは確かです。
ひとさじ飲む療法は他にも
ちなみに「たぬきの油」ではありませんが、ニワトリの脂身を炒めて出てきた油を少量飲むと風邪が治るという方がいました。「オリーブオイルをひとさじ飲む」「ごま油をひとさじ飲む」といった健康法を実践する方も、世の中におられることを考えると、「たぬきの油」にしても、良質の油は、何か身体にいい作用があるのかもしれません。
いずれにせよ、馬油同様に「たぬきの油」も民間療法の域を出ることはないと思われます。これからも「たぬきの油」は秘薬珍薬であってほしいものです。
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